2011年2月15日火曜日

ヨブっていう人


旧約聖書にヨブって人が出てくるらしい。これがやたらとかわいそうな人で、いろいろな作品のモチーフになっている。神の教えを守って品行方正に生きていたのに、悪魔が「あいつにひどいことしてもまだ信仰捨てないのか試してみようぜ」という賭けを神に持ちかけ、なんにも悪いことをしてないのに、全財産も家族もなくすわ皮膚病になるわ友達にはひどいこと言われるわなどなど不幸が雨霰のように降ってくる。果たしてそれでも神を信じ続けられるのか?!

ヨブは無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きており、7人の息子と3人の娘をもち、羊7千匹、らくだ3千頭、牛5百くびき、雌ロバ5百頭の財産を持ち、使用人も数多く使っておりました。しかしながら彼はサタンによって試みられ、その財産から始まって、息子・娘たちを失い、ついには自分自身も重い皮膚病に罹って、ありとあらゆる人生の辛酸を舐めます。しかし彼は有名な言葉、「わたしは裸で母の胎を出た。裸でそこに帰ろう。主は与え、主は奪う。主の御名はほめたたえられよ」を告白しつつ、神を非難することはなく、罪を犯しませんでした。

人は何も与えてくれない神を信じ続けられるか?スコセッシが映画化しているという遠藤周作「沈黙」もこのテーマのことだったのかと。見返りが無くても人は信仰を捨てずにいられるか?っていう問いは、カトリックよりむしろユダヤ教色が濃いように感じる。そもそも神を信仰する理由は?神が自分を救ってくれる見返りを求めているから?じゃあ、神が自分に何も与えてくれなかったら?そもそも信仰ってなんだ?神ってなんだ?みたいな話になってくる!

ということで、みんな二千年くらいこの問題について考えているらしい。ちなみにヨブの最後は財産が二倍になって帰ってくる、ということになってるけど、それはあんまりひどい話なので、後世の人が書き加えたって説もあるそうだ。ちょっとヨブさんの話は興味深いなあ。

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