2011年1月31日月曜日

Sarah Sze


きのう現代美術館でみたSarah Szeの作品がすばらしかったのでメモ。

サラ・ジーは1969 年ボストン生まれ、現在ニューヨークを中心に国際的に活躍するアーティストです。ジーの作品は、画鋲やペットボトル、薬、チューインガムといった、日常的に手に入る量産されたごくありふれた「もの」を素材としています。生活世界で既にひとつのアイデンティティを持つそれらは、ジーによって規則性や配列を伴う構成の中に取り込まれることで、別の次元の存在となって現れます。ジー自身が展覧会会場に何週間も滞在し制作するというのも特徴であり、彼女の気配が展示空間には色濃く残ることとなるでしょう。(tokyo art beatより)

彼女の作品が展示されていたのは窓際の通路。イタリアの下町のせんたくもの干しのように窓を横切って糸が貼られていて、ぼろぼろのTシャツがかかっている。そのTシャツには四角い穴がたくさん空いていて、まるでビルのように見えるのだった。糸をたどっていくとペットボトルでかたどった石膏による未来都市のようなものや、黒い糸くずでできあがる惑星みたいなものがあって、おもちゃの蛇がばらばらに切り離されていたりして、窓際がSF小説さながらのちいさな世界をつくりあげていた。無機物の組み合わせからうまれでていたのは、ブローティガンみたいなぽんこつでやさしいストーリーだった。作品からにじみ出る性格の良さというか人間力の高さ、印象の良さはミランダ・ジュライに近い。こういう、アメリカ人のほがらかで性格のいい感じみたいなものがわたしは大好きだ。作家に会って、ひとつづつ「これは何?」って聞いてみたいと思った。生まれたてのこどもが世界を見て「あれは何?これは何?」と聞くように。いや、本人がものすごく性格の悪いビッチでもそれはそれで味。

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