2009年9月30日水曜日

僕の小規模な生活


ガロ出身の漫画家、福満しげゆきの漫画家としての生活と妻との暮らしを描いた生活エッセイマンガ。天才ディレクターのほのちゃんに似ている女子が出てくるというので読んでみた。ら、なんかすごく打ちのめされた。

内容は、主人公が売れないマンガ家志望でコンビニでバイトとかしながら妻に食わせてもらってる状態から週刊連載を持つまでの日々をつらつらと綴っている。

描かれているのは「編集さんに寿司屋に連れて来てもらって、もっとたくさんたくさんお酒が飲みたいけどそんなこと言えない!」とか「ああまた調子にのってあんなことを言ってしまったけど気を悪くしてないだろうか」とか、脳みそのなかをさらけ出し大会。わかる・・!!そういうみみっちいことばっかりあたしもほんとに考えてる・・!とシンパシーを覚えるとともに、こんなひねくれぶりを素直にさらけ出すことができる作者はすごいと思った(そしてそれが計算だったらもっとすごい)。

そんでこのマンガの本当の主役はむしろ妻。彼女は料理が上手なおかっぱ美人。主人公との暮らしぶりは全てをさらけ出しているというか二人の脳みそに仕切りが無い状態。この人、奥さんがいなくなったらどうするんだろう(奥さんは大丈夫そう)。その一心同体ぶりに、ギリシャ神話ではくっついていた人間どうしが現代でもここまで一つになれるということがほんとに凄いと思った。

自分のわがままや欲望を相手に何も考えずにぶつけられるというのは依存かもしれないが、なんて幸せそうなんだろう。これが人間どうしのぶつかりあいというものなのか。そういうものを知らないで今まで生きて来てしまった自分がものすごく情けない人間だと思ったりした。

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