2009年1月20日火曜日

映画「バンク・ジョブ」


王子がジャージ姿でクラビングしてることでおなじみの英国王室。しかし古き良き1970年代、さすがにスキャンダルは御法度でした。南の島で王女が複数の異性といろいろなことを繰り広げてるなんて・・・しかもその場面を過激派のゴロツキが盗み撮りしちゃって、その写真をネタに英国の警察はおろか諜報機関まで揺すっちゃうなんて。いいかげん業を煮やした諜報機関が、街のチンピラをだましてその写真を盗みださせるなんて・・・ そんな話あるわけないじゃーん!

でも、あるんです!この映画「バンク・ジョブ」は、実際にあった事件がベースになっている。監督は超いい感じのじいさん映画「世界最速のインディアン」、古くはひさえくんもおすすめの青春映画「カクテル」を撮ったロジャー・ドナルドソン。サスペンス要素も登場人物のキャラクター設定もすごくしっかりしてて、安心して見れる秀作。小金をもうけるつもりだった街のチンピラが、スコットランド・ヤードからMI5から英国王室から政治家までを道連れに大スキャンダルを起こしちゃうところがハラハラドキドキさせられます。

個人的にシンパシーを感じたのが、このロジャー・ドナルドソンさんオーストラリア出身なのだが、多分イギリスがすごく好きなんだと思う。イギリスお家芸のクライム・ムービーだけど、上品な香りがするのもそのせいなんじゃなかろうか。ダニー・ボイルとかケン・ローチとか、イギリス人には絶対撮れない類の、異国の人が幻想で作ったいわゆる「紳士の国」みたいなイギリス像。そんな片鱗みじんも残ってないロンドンで具現化してしまったところがあっぱれ!田舎者が憧れる英国のビジョンそのままっていうか、イギリス好きによるイギリス好きのためのこてこて映画ですよ。大阪で新喜劇がこけてる感じのこてこてっぷり。

ロジャーさん、ますます乗ってます。次回作も楽しみだな〜。

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