2009年1月13日火曜日

もののたとえ


何の波風もなく暮らしているつもりが、突然現れた深みに嵌まって溺れそうになる。普通に考えれば、ここは足が着く程度の浅さのはずだし、そもそも水なんか本当はないのだ。しかし「どうしてこのデザインがもてはやされるのか理解できない」という自分の人生にまっっっったく関係ない理由で憤るような人間はよくこの鉄砲水にやられて死にそうになる。

そんな時に「なんだか苦しそうですね」と話を聞いてくれる人がいる。溺れてます、と言っても「水なんかどこにもないじゃないか」と言われるのが普通だが、「なんだか苦しがっているようだ」と気づいて、その理由を聞いてくれるのは命を救われたような気分になる。そしてどういう水で溺れているのかを教えてくれたりする。そういう人に出会えただけでもこの世に生まれた甲斐があったというものだ。

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